シュール!「きゅうりさん、あぶないよ」

あらすじを聞いて読みたくてしょうがなかったので、図書館を探して、スズキコージさんの描いた「きゅうりさん、あぶないよ」という絵本を読みました。あらすじは、どこかへ進んでいく主人公のきゅうりさんに動物たちが「きゅうりさん、そっちへいったらあぶないよ、ねずみがでるから」といって、自分たちの持っている物を渡していきます。ページを追うごとにきゅうりさんは装備を強化していき、最後にはなんかすごい装備になってきます。そして、最後にねずみに出会うと、ねずみがおどろきながら「あぶない」と言ってきゅうりさんから逃げ出します。

なんだ、その話は、と思いました。セリフも、あらすじで書いた「きゅうりさん、そっちへいったらあぶないよ、ねずみがでるから」と「あぶない」だけです。ほんとにわけのわからない話ですが、なんでだかおもしろい。ユーモアと、若干の狂気を感じるのですが、それがどこから来るのかあらわしにくい。まず「きゅうり」「さん」「あぶない」「ねずみがでるから」という言葉にセンスを感じます。

「きゅうり」で、かつ「さん」がついています。これはきゅうりのように折れやすく、ひ弱だが、とてもさわやかで、「さん」をつけたくなるほどだから、敬意と親しみを、「きゅうりさん」が得ていることを意味しています。絵で描かれ方も、きゅうりさん、まじめで応援したくなるような感じなんですね。サラリーマンみたいです。つぎに「ねずみがでるから」と「あぶない」ですが、ねずみの前歯でパキッと折られる姿が想像できるんです。

ねずみ以外にもっとでかい動物に遭うのですが、このきゅうりといえば連想される「パキッ」という音が、ねずみの前歯とかみ合い過ぎて、ほかの動物の脅威を忘れるほどです。ほかにも、もらう装備をページをめくる前に予想しておくと「それかい」と思うものをもらってたり、じっくり考えながら読むと面白いです。